スペインで会社を経営したり、Autónomo(個人事業主)として活動したりしていると、「Modelo 111」という申告書を耳にすることがあります。
Modelo 111を簡単にいうと、給与や専門家への報酬などから差し引いたIRPF(所得税)を、税務署へ申告・納付するための手続きです。
「何のための申告?」「従業員がいなくても必要?」という方に向けて、今回はModelo 111の基本を分かりやすく解説します。
そもそもModelo 111って何?

たとえば、従業員の給与が2,000€で、そこからIRPF(源泉所得税)として200€を差し引き、1,800€を本人へ支払ったとします。
この差し引かれた200€は会社のお金ではありません。従業員の所得税として、会社がいったん預かっているお金です。
会社は預かったIRPFを税務署(AEAT)へ納める必要があります。その申告・納付に使われるのがModelo 111です。
つまり、「給与などから預かったIRPFを税務署へ渡すための申告」と考えると分かりやすいでしょう。
従業員がいなくても必要になる?

Modelo 111は、従業員の給与だけが対象ではありません。
たとえば、スペインの弁護士やコンサルタントなど、IRPFの源泉徴収が適用される専門家(profesional)へ報酬を支払った場合にも関係することがあります。
たとえば、次のような請求書を受け取ったとします。
- サービス料金:1,000€
- IVA(21%):+210€
- IRPF(15%):−150€
- 支払額:1,060€
この150€は「割引」ではありません。報酬を支払う側がいったん預かり、Modelo 111を通じて税務署へ納付します。
そのため、従業員がいないAutónomoや会社でも、IRPFが記載された専門家の請求書を受け取っている場合は要注意です。
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「自分はModelo 111を提出する必要がある?」 「どのModeloを申告すればいいか分からない」 といった場合も、お気軽にご相談ください。
日本語で相談する →誰がModelo 111を提出するの?

Modelo 111を提出するのは、基本的にIRPFを差し引いて支払いを行った側です。
たとえば、従業員へ給与を支払う会社やAutónomo、IRPFの源泉徴収がある専門家へ報酬を支払った事業者などが該当します。
覚え方はシンプルです。
「IRPFを差し引かれた人」ではなく、「IRPFを差し引いて支払った側」がModelo 111を提出する。
たとえば1〜3月に、従業員の給与から600€、専門家への報酬から300€のIRPFを源泉徴収した場合、合計900€をModelo 111で申告・納付するイメージです。
Modelo 111はいつ提出する?
中小企業やAutónomoでは、Modelo 111を四半期ごとに提出します。
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1〜3月分 → 4月
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4〜6月分 → 7月
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7〜9月分 → 10月
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10〜12月分 → 翌年1月
一般的には各申告月の20日までですが、口座振替を利用する場合などは期限が早くなることがあります。また、事業者によっては月次申告となる場合もあります。
Modelo 190や115とは何が違う?

Modelo 111と一緒に覚えておきたいのが、Modelo 190とModelo 115です。
Modelo 111は、給与や専門家への報酬などから源泉徴収したIRPFを申告・納付するもの。一方、Modelo 190は、その内容を「誰にいくら支払い、いくら源泉徴収したのか」まで含めて年間でまとめる情報申告です。
学校に例えるなら、Modelo 111が学期ごとの成績、Modelo 190が1年間の成績表のようなイメージです。
また、Modelo 115は主にオフィスや店舗などの事業用物件の賃料に対する源泉徴収を申告するModeloです。
簡単に整理すると、
- 給与・専門家への報酬 → Modelo 111
- 事業用物件の賃料 → Modelo 115
- Modelo 111の年間まとめ → Modelo 190
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
まとめ
Modelo 111を一言でいうと、「給与や専門家への報酬などから源泉徴収したIRPFを、税務署へ申告・納付するためのModelo」です。
特に注意したいのは、「従業員がいないから関係ない」とは限らないこと。専門家から受け取った請求書にIRPFが記載されている場合にも、Modelo 111が必要になる可能性があります。
スペインでは事業内容によって、Modelo 111だけでなくModelo 115、130、303、190など、さまざまな申告義務が発生します。事業を始める際には、自分にどのModeloが必要なのかを最初に整理しておくことが大切です。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスを構成するものではありません。実際の申告義務や期限等は個別の状況によって異なる場合があります。
