スペイン税金「複数支払者ルール(Dos Pagadores)」とは?

2025-10-22 11:28:44

目次:

     

    確定申告のときに「追加納税(a pagar)」の金額が思ったより多くてショックを受けたこと、ありませんか?

     

    スペインで働く多くのプロフェッショナルが、一度は経験したことがあるはずです。

     

    1年間ずっと税金を払ってきたのに、なぜこうなるのでしょうか?

     

    実はそれには、スペイン特有の税金徴収法則が関係しています。

     

    「二重支払者ルール(Dos Pagadores)」の法則とは一体何なのか、対策するにはどうすればよいか、解説していきます😊

     

     

    「複数支払者ルール(Dos Pagadores)」とは?

     

    「Dos Pagadores」とは、直訳すると「二人の支払者」。

    →つまり、収入源が2つ以上あり、異なる雇用主から収入を得ている状況を指します。

     

    単語だけを聞くと、なんだか“税金を二重に取られる”ような印象を受けますが、実はそうではありません。

    最終的な税額は、収入源が1つであれ10あれ、年間の総収入額によって決まります。
    「複数支払者ルール(Dos Pagadores)」は罰則ではなく、確定申告が必要になる収入基準(条件)に関するルールです。

     

    つまり、「どの収入額から確定申告をしなければならないか」という基準が変わるだけなのです。

     

    ■確定申告が必要になる基準:申告義務はある?

     

    多くの人がつまずくポイントはここです。
    スペイン税務署(AEAT)は、確定申告が必要になる年収基準を以下のように設けています。

    状況

    年間給与額

    確定申告の要否

    支払者が1つの場合

    €22,000を超える場合

    必要

    支払者が2つ以上の場合

    €15,876を超える場合
    (※2025年に申告する2024年度分の基準)

    必要

     

    ただし、重要な例外が1つあります。
    支払者が複数ある場合でも、2社目以降の合計収入が1,500ユーロ未満であれば、22,000ユーロの基準が適用されます。

     

    なぜ追加で税金の支払いが発生するのか❓

     

    ではなぜ追加で税金を納めないといけないのでしょうか🤔

     

    この原因は、税金そのものではなく、源泉徴収(Retención)の不足にあります。

     

    スペインの所得税(IRPF)は累進課税制度です。
    収入が増えれば増えるほど、適用される税率も高くなります。

     

    支払者が1つであれば、会社はあなたの年間収入全体を基に源泉徴収税率を計算するため、通常は正確に調整されています。

    しかし支払先が2つになると、その仕組みが崩れます。

    ------------------------------

    例:
    1️⃣支払先①(1月〜6月):

    • 年収25,000ユーロとして勤務。会社は25,000ユーロを基にIRPFを計算。

    2️⃣ 支払先②(7〜12月)

    • 転職により年収30,000ユーロとして勤務。新しい会社は前職の収入を知らないため、30,000ユーロだけでIRPFを計算。

    ------------------------------

    結果として、両社がそれぞれ別々に源泉徴収しているため、最終的な合計年収 €55,000に対しては、累進課税の税率に比べて天引きが足りない状態になります。

     

    つまり、あなたが罰金を受けているわけではなく、
    単に、年内に引かれていなかった税金をまとめて支払っているだけなのです。

     

    こんな人が「Dos Pagadores」とみなされます

    次のようなケースに当てはまる人は、追加で税金を払う可能性があります👇

    ・年途中で転職した場合

    ・ 失業手当(paro)やERTEを受けた場合(※SEPE が支払者扱い)

    ・ 自営業(Autónomo)+ パートタイム勤務をしている

    ・ 公的年金を受けながら、私的年金やアルバイト収入がある

     

     

    💡 なぜ重要なの?

     

    スペインでは 支払者が2つ以上あると、年末の確定申告で追加納税が発生しやすいという特徴があります。


    これがいわゆる 「複数支払者ルール(Regla de los Dos Pagadores)」 と呼ばれるものです。

     

    解決策:追加請求を未然に防ぐ方法

     

    ① 年間の総収入をざっくり計算 ✏️

     まずは、1年間の全ての収入を合計してみましょう。
    (転職前後の給与・失業手当・副業・年金など全部込み!)

     

    ② 雇用主に早めに伝える 💬

     次の雇用先や今の雇用主に、源泉徴収の設定をしてもらいましょう。

    ③ Modelo 145 を提出 📄

     家族構成や扶養の有無などを雇用主に伝えるための書類「Modelo 145」を提出し、正しい源泉徴収率を設定してもらいましょう。

    🗣️ 伝え方の例:

    「今年は2か所以上の支払元(Dos Pagadores)に該当します。
    年間総収入は €XX,XXX ほどの見込みなので、
    源泉徴収率を X% に引き上げてください。」

     

    こうしておくと、確定申告時に大きな追加納税が発生するのを防ぐことができます💪

     

    まとめ

     

    「複数支払者ルール(Dos pagadores)」という言葉を聞くと、ついペナルティや罰金のように感じてしまいますよね。
    これは罰則ではなくルールなのです。

     

    💡ポイントは3つ

    1. 追加で税金を払うのは、源泉徴収が足りなかっただけ
      →まずは確定申告に自分が該当するかどうか確かめましょう!

    2. 年間の収入を早めに把握する
      →給与や副業の合計をチェックし雇用主に通知しましょう!

    3. 源泉徴収率を調整する
      →あらかじめ調整すれば、確定申告時に余計な請求が出ません!

    仕組みを理解して準備すれば、「Dos Pagadores」への対策ができます。

    皆さんもぜひ、自分の年収を確認してみてください👀✧

     

    自分は、Dos Pagadoresに該当するのだろうか…?

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